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2024年01月29日
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内腔器材の洗浄評価方法について

医療機器洗浄アドバイザーコラム第16弾

2022年06月27日

近畿・東海・北陸エリア担当の竹中です。
最近は、梅雨らしい天気がどこかに行ってしまい、真夏の暑さで体力を奪われそうですが、
皆様はいかがお過ごしでしょうか?

今回のコラムは知っている様で知らない、「洗浄プログラム」について
お話しします。
我々も、真空ソノログ洗浄装置(USP-OAシリーズ)や洗浄剤の販売を行っているので、
常に最適な洗浄プログラムを考えています。

先ずは、ある病院の真空超音波洗浄装置の洗浄プログラムを見て下さい。

■プログラム名:No1 内腔洗浄(吸引あり)フル 潤滑あり
① 予備洗浄  3分   水
② メイン洗浄 10分 55℃ 水・湯  Thermoshield Xtreme・0.7%
③ すすぎ①  1分   湯
④ すすぎ②  1分   湯
⑤ 除染    5分   90℃ RO水 Instrumentenmilch・0.3%

見て頂きたいのが、①~⑤のトータル時間です。
そのまま合計する20分の洗浄プログラムになりますが、実際はこの時間では完了せず約60分の時間が掛かります。
では、なぜ40分もの誤差が生じるか!?

理由は、下記の3つの要素が関係します。

一つ目が、「給水時間」です。
 洗浄装置は、ある程度給水が完了しないとそれぞれの工程が進みません。
 ①の予備洗浄もスタートボタンを押してから給水が完了するまで、数分掛かるので、
 その時間が誤差になります。

二つ目が、「排水時間」です。
 ①の予備洗浄が完了したあと次の②メイン洗浄に移る前に排水を行いますが、やはり数分掛かるので、
 その時間も誤差になります。

三つ目が、「昇温時間」です。
 この昇温時間が、一番誤差がでる原因となります。
 例えば、⑤の除染は、90℃まで温度を上げますが、使用するRO水の温度が25℃の場合、65℃も温度を
 上げる必要があり、20分~30分程時間が必要になります。プログラム表では、「除染」は3分ですが、
 実際には23分~33分必要です。

では!!
少しでも時間を短くする方法ですが、残念ながら簡単ではありません。「給水時間」
「排水時間」は、病院側の設備に依存します。
水やお湯、RO水の水圧は、病院側の1次設備の性能に左右されます。また、排水の時間も同じく1次設備の排水能力に左右されますので、建物が完成した後に改善する事は難しいです。

三つ目の「昇温時間」については、洗浄装置の性能に依存されます。
我々の真空超音波洗浄装置(USPシリーズ)では、「蒸気仕様」と「電気仕様」の2種類があり、少しでも
洗浄時間を短くしたいとの要望がある場合は、熱交換の効率が高い「蒸気仕様」をお勧めしています。
また、「水を使わずにお湯だけを使えば?」とのご意見を頂く事がありますが、病院によっては、お湯の温度が高温(50℃以上)の場合があり、予備洗浄では使えない事もあります。

皆様も現在使用されている洗浄装置の洗浄プログラムの設定時間と実際の洗浄時間の違いを確認してみて下さい。

洗浄プログラムの設定(温度、時間、水とお湯とROの選択、洗剤分注量など)は、質の高い洗浄を行う上で重要な要素となります。恐らく、洗剤メーカーか洗浄装置メーカーが洗浄プログラムを考えて設定されていると思いますが、一度どのような理由で、プログラムを組んでいるか、質問されてみてはいかがでしょうか?

今回はこの辺りでお終いとさせて頂きますが、次回のその2では、「VARIOTDプログラム」についてお伝えします。

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