CONTACT
NCC Column
NCC Column Title
2023年03月11日
洗浄に重要な界面活性剤の話

2023年03月11日
医療機器洗浄アドバイザーコラム 第25弾

2023年03月09日
医療機器洗浄アドバイザーコラム 第24弾

2023年02月21日
超音波の歴史について

2023年02月10日
医療機器洗浄アドバイザーコラム 第23弾

2023年01月13日
~超音波発振(キャビテーション)確認方法虎の巻~

2022年12月23日
医療機器洗浄アドバイザーコラム 第22弾

2022年12月21日
タンパク質抽出方法BCA、OPA、CBBの特長~第2弾~

2022年11月29日
医療機器洗浄アドバイザーコラム 第21弾

2022年11月14日
歯科医療器器材洗浄における感染対策とは

2022年10月20日
医療機器洗浄アドバイザーコラム 第20弾

2022年10月20日
ウォッシャーディスインフェクターで使用される医療器材洗浄用の洗剤を選択するポイント

2022年09月13日
医療機器アドバイザーコラム第19弾

2022年09月08日
医療機器アドバイザーコラム第18弾

2022年09月01日
A₀値の値を消毒レベルで言うとどの分類?

2022年08月04日
医療機材の洗浄の不備とメンテナンス不備がもたらす影響

2022年08月01日
医療機器洗浄アドバイザーコラム17弾

2022年07月22日
業務の一環として簡易的に行える医療器具清浄度確認方法について

2022年06月27日
医療機器洗浄アドバイザーコラム第16弾

2022年06月20日
医療機器洗浄アドバイザーコラム第15弾

医療器材の錆びに関して ~ステンレスの不動態膜再形成の重要性~

2021年05月28日

医療器材(ステンレス)の不働態化とは?
ステンレスはstain(汚れ・しみ)+less(なし)、つまり「錆びない」という意味の造語がその由来です。  
ステンレスは含有成分によりいくつかの種類に分類されますが、共通しているのは鉄(Fe)とニッケル(Ni)、それにクロム(Cr)が10.5%以上含まれていることです。クロムは酸素と結合(酸化)して表面に薄くて硬い皮膜を作ります。これが不動態皮膜でありこの皮膜が内部への腐食を防ぎさびや汚れの付着を防止します。 
不動態膜の厚さは3nmと非常に薄いものですが、非常に強靭な膜で、破綻しても酸素があれば自動的に再生する機能を持っています。 

器材メーカーから出荷されたばかりの新品器材は、言わば純粋なステンレス不動態膜が形成されており耐食性があります。しかし、加工や溶接などで皮膜が物理的に除去されており、鉱物油が塗布されているために自動再生ができません。そのために使い初めに能動的に不動態皮膜を作る必要があります。
また、古くなった器材は、自然酸化作用により不動態膜が自然と形成され錆びにくい医療器材となって行きますが、手術中の接触によるダメージや洗浄工程におけるダメージにより不動態膜が剥離され錆びやすい場所が発生します。その剥離された場所を放置すると孔食や折れ(破損トラブル)へ腐食が進行して行きます。
ダメージ(不動態膜剥離)を受けて医療機材は、不動態膜の再形成を促してやることで孔食や折れ(破損トラブル)へ進行せず再び錆びにくい器材に蘇ります。

不動態膜の再形成を促す溶剤の紹介をさせて頂きます。
thermoshield Pの作用は非常に単純なものです。不動態化は前述の通り、クロムが酸化して形成されます。つまり、酸化剤とステンレスを一定時間接触させればステンレス表面に不動態膜ができるというわけです。thermoshield Pの主成分は硝酸とリン酸、それに界面活性剤です。硝酸は強い酸化剤であり、硝酸の力で不動態膜が形成されるというわけです。

NCC Column LIST
copyright©NCC Co.,Ltd. All Rights Reserved.