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NCC Column
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2025年06月07日
医療機器洗浄アドバイザーコラム 第50弾

2025年06月07日
蒸し暑さを吹き飛ばす、ヨーロッパからの新しい風:         手術器具再生用洗浄剤の『医療機器承認』という選択

2025年05月14日
医療機器洗浄アドバイザーコラム 第49弾

2025年05月01日
ヨーロッパに学ぶ、環境にやさしい医療機器再生洗浄剤の最前線

2025年04月17日
医療機器洗浄アドバイザーコラム 第48弾

2025年04月03日
手元を明るくするだけで、洗浄の質が向上する!     ― 視認性と洗浄清浄度の関係 ―

2025年03月10日
医療機器洗浄アドバイザーコラム 第47弾

2025年03月06日
ヨーロッパにおける内視鏡洗浄の現状

2025年02月13日
医療器具の洗浄評価はどうする~小さなことから習慣化~

2025年01月30日
医療機器洗浄アドバイザーコラム 第46弾

2025年01月08日
医療機器洗浄アドバイザーコラム 第45弾

2025年01月08日
~アルカリ洗浄剤の進化~               ヨーロッパ諸国における強アルカリ酵素洗浄剤の進化と特長

2024年12月11日
ウォッシャーディスインフェクターの洗浄プログラム特性について

2024年12月06日
医療機器洗浄アドバイザーコラム 第44弾

2024年11月07日
中央材料室の区域区分に関して

2024年10月31日
医療機器洗浄アドバイザーコラム 第43弾

2024年10月03日
立ち仕事の身体への負担と負担軽減の工夫

2024年09月24日
医療機器洗浄アドバイザーコラム 第42弾

2024年09月09日
医療器具洗浄のヨーロッパ情報と洗浄評価実施のタイミングと種類

2024年08月22日
医療機器洗浄アドバイザーコラム 第41弾

中央材料室で使うシステムシンクと家庭用システムシンクとの違いについて⁉

2024年07月02日

今年は、梅雨入りが遅く6月からかなり暑い日が続きましたね。7月になりより暑くなる気配が感じられます。ネット情報では『今までに経験がない位の暑さ』と言われています。
今となっては当たり前ですが、6月から9月はクールビズとなります。ネクタイを締めているのと締めていないのでは、やはり首回りの涼しさは違います。昨年位からは、より進化したクールビズを導入される会社もあり『ポロシャツ』や『Tシャツ』を推奨しているポスターもよく見かけます。このクールビズを行う大きいメリットは!!と言うと3つあります。
・ 環境対策
・ 消費電力削減
・ 熱中症予防
この様に時代と共に対応をしないといけない事項も増えて行きますし、自身を熱中症から守る事とも考えて行かなければなりません。
中央材料室で使用されるシステムシンクも私が業界に入った30年前は、家庭で見るシステムシンクを大きな差がない物が多く使用されていましたが、ここ10年~15年で大きく進化を遂げて来ています。
まず、中央材料室で使用するシステムシンクと家庭用システムシンクでは、どの様な違いがあるのでしょうか?

中央材料室で使用するシステムシンクでは!!
中央材料室用のシステムシンクは、工業的または商業的な使用を目的としています。研究室、病院、食品加工施設など、特定の機能や高い衛生基準が求められる場所で使用されます。耐久性や耐薬品性が高い材料(例えばステンレススチールや特定の樹脂)で作られていることが多く、大型で深さがあり、大量の材料や機器を洗浄できるように設計されています。これにより、一度に多くの作業を効率的に行うことができます。これらのシステムシンクには、スチーマ修理洗浄機・超音波洗浄装置・エアーガン&ウォター
ガンシステムなど、特定の作業を効率的に行うための特殊機能が搭載されている場合があります。
また、オーバーフロードレインボードや追加のバックパネルシステムなど、作業の流れをスムーズにするための付属品が備わっていることが多いです。さらに、衛生規則や安全規則に従うための設計がなされて
おり、特定の規制に準拠していることが要求されます。

次に家庭用システムシンク
家庭用のシステムシンクは、主に家庭での一般的な使用を目的としています。調理や食器洗いなどの日常的な作業に適しており、美観と使い勝手を重視したデザインが多く、キッチンのインテリアに調和するように設計されています。家庭用シンクは、中央材料室用シンクに比べて小型で浅く、通常の家庭の使用量に対応する大きさです。

一部の高級モデルには、内蔵のゴミ処理機、蛇口一体型の浄水器、可動式のスプレーヘッドなどの便利な機能が含まれることがあります。しかし、専門的な洗浄や消毒機能はほとんどありません。家庭用シンクは、ステンレススチール、セラミック、コンポジット素材など、見た目や耐久性、手入れのしやすさを考慮した素材が使用され中央材料部で使用されるシステムシンクとは、使用目的が大きく違っているのが解ります。

では、ヨーロッパでの中央材料部でのシステムシンク関連のガイドラインはと言いますと!!
衛生管理と安全性に厳格な基準を設けています。特に、食品加工施設や医療機関などの重要な場面で使用されるため、システムシンクの設計には細心の注意が求められます。

まず、衛生規準については、EN 1672-2:2005+A1:2009およびEN ISO 14159:2008が重要なガイドラインです。これらの規準は、システムシンクが清掃しやすく、細菌の繁殖を防ぐ設計であることを求めています。具体的には、シンクの表面が滑らかであることや、腐食に強い素材を使用することが規定されています。これにより、シンクは常に高い衛生状態を維持することが可能となります。

次に、材料と設計に関するガイドラインとして、EN 10088が挙げられます。この規格は、ステンレス
スチールの品質と特性に関するものです。システムシンクは、耐久性と腐食耐性を確保するために、
AISI 304や316などの高品質なステンレススチールを使用する必要があります。
これにより、シンクは長期間使用されても劣化しにくく、常に高い性能を発揮します。

さらに、安全基準については、EU Machinery Directive 2006/42/ECが適用されます。
この指令は、機械の設計および製造に関する基本的な健康および安全要件を規定しています。
システムシンクの設計は、使用者の安全を確保し、事故やケガを防ぐためにこの指令に準拠する必要があります。例えば、シンクのエッジが丸く仕上げられていることや、適切な高さに設置されていることなどが求められます。

環境規準に関しては、REACH Regulation (EC) No 1907/2006が重要です。この規則は、化学物質の登録、評価、認可および制限に関するものであり、システムシンクの製造に使用される材料は、有害物質が含まれていないことを確認する必要があります。これにより、環境保護が図られ、シンクを使用する人々の健康も守られます。

最後に、CEマーキングが求められます。これは、システムシンクが関連するEU指令に適合していることを示すもので、安全性、衛生、環境保護の基準を満たしていることを証明します。このマーキングがあることで、製品がヨーロッパ市場で販売されることが認められます。

以上の様にヨーロッパでの中央材料室用システムシンクのガイドラインは、衛生、材料の品質、安全性、環境保護に重点を置いています。これらのガイドラインに従うことで、システムシンクは高い衛生基準と安全性を確保し、長期間にわたって使用されることが保証されます。弊社もこれらの規制や規格に基づいて設計・製造を行い、使用者に安心して使用してもらえる製品を提供することを心がけ現場様にあった
オーダーメイドシステムシンクを提供させて頂いています。

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